「マッチングサービスに登録したけど、思ったほど案件が増えない」
そんなときに見直したいのが、**1つのサービスに依存しない“使い分け戦略”**です。電気工事の案件は、地域・時期・工事内容によって出方が変わります。だからこそ、複数サービスを目的別に使うだけで、案件獲得の確度は上がり、収入も安定しやすくなります。
この記事では、電気工事職人が「案件を取る」だけでなく、仕事を選べる状態に近づくための、実践的な運用方法をまとめました。
目次
- なぜ今「複数マッチング活用」が効くのか
- マッチングサービスのタイプを分けて考える
- 働き方別:おすすめの使い分け戦略
- 複数登録で失敗しやすい落とし穴
- プロフィールを“流用”して成果を上げるコツ
- 案件管理をラクにする具体テク
- まとめ:仕事量ではなく「選択肢」を増やす
1. なぜ今「複数マッチング活用」が効くのか
電気工事の仕事は、景気や建設投資の波だけでなく、繁忙期・年度末・店舗改修のタイミングなど、季節要因でも案件が動きます。
その結果、同じ地域でも「今月は店舗改修が多い」「今週は応援が足りない」「来月は空調系が増える」といった偏りが起きやすいのが現実です。
マッチングサービスも同じで、サービスごとに
- 集まる発注者の層(元請け・下請け・管理会社・工務店など)
- 出る案件の種類(短期応援/常用/改修中心など)
- 価格帯(安いが量が多い/少ないが高単価)
が違います。
つまり、1つに絞るほど「当たり月/外れ月」が出やすい。
逆に、2〜3個を使い分けるだけで“波”が平準化されます。これが複数活用の最大の価値です。
2. マッチングサービスのタイプを分けて考える
サービス選びで失敗しやすいのは、「良さそうだから登録」→「案件が合わない」→「放置」パターン。
合う・合わないを減らすには、サービスをタイプ分けして理解するのが近道です。
タイプA:案件数重視(母数が多い)
案件が常に動いていて、比較的応募も集まりやすい。
ただし競争が強く、プロフィールの作り込みが弱いと埋もれやすい傾向。
タイプB:高単価・経験者向け
工期が長い、スキル要件が高い、資格必須など。
刺されば強いが、応募できる案件数は限られる。
タイプC:スポット・応援中心
「明日来てほしい」「1日だけ」「2〜3日応援」のような短期案件が中心。
空き日を埋めるには最強。ただし移動や準備が増えることも。
タイプD:地域密着
地方や特定エリアに強い。
全国型より案件数は少ないが、競合が少なく“穴場”になりやすい。
この4タイプを押さえた上で、「自分は何を優先したいのか」を決めると、使い分けが作りやすくなります。
3. 働き方別:おすすめの使い分け戦略
ここからは、実際に“組み合わせ”を作る考え方です。
3-1. 収入を安定させたい(常用+上乗せ)
おすすめは、
- メイン:タイプA(案件数重視)
- サブ:タイプB(高単価・経験者向け)
です。
普段は案件数のあるところでベースを作り、経験や資格が活きる高単価案件が出たときだけ狙う。
これで月の売上が読みやすくなります。
3-2. 空いた日だけ稼ぎたい(副業/調整用)
おすすめは、
- メイン:タイプC(スポット・応援)
- サブ:タイプA(案件数重視)
です。
スポット中心で埋めつつ、空きが長引くときは案件数重視で拾う。
「明日空いた」「来週だけ空く」など変動がある職人さんに合います。
3-3. 地方で案件が少ない
おすすめは、
- メイン:タイプA(全国型)
- サブ:タイプD(地域密着)
です。
全国型で母数を確保しつつ、地域密着で“地元の優良案件”を狙う。
地方ほど、地元ネットワークの強い発注者がいるため、Dがハマると強いです。
3-4. 将来、直接取引や固定客を増やしたい
おすすめは、
- メイン:タイプB(経験者向け)
- サブ:タイプA(案件数)
さらに、受注後の対応を丁寧にして「次もお願いします」を狙う運用が重要です。
マッチングは“入口”で、勝負は“2回目の依頼”から始まります。
4. 複数登録で失敗しやすい落とし穴
複数運用は強い反面、やり方を間違えると逆効果になります。
落とし穴①:手当たり次第に応募する
応募数が多いと「熱心」に見えると思いがちですが、
実際は「条件を読まない人」と見られることも。
応募は“厳選”が基本です。
落とし穴②:プロフィールがバラバラ
サービスごとに書き方が違うと、信頼が積み上がりません。
“核となる自己紹介”は統一し、必要に応じて微調整がベスト。
落とし穴③:管理が追いつかない
応募→返信→日程調整→確定、が重なるとミスが起きます。
これは仕組みで解決できます(後述)。
5. プロフィールを“流用”して成果を上げるコツ
複数運用で強いのは、「プロフィールを使い回せる」点です。
おすすめは、以下の3点セットを作っておくこと。
- 30秒自己紹介(短文)
例:経験年数/対応工事/保有資格/対応エリア/稼働可能日 - 実績テンプレ(箇条書き)
例:店舗改修/分電盤交換/配線更新/照明増設/弱電対応 など - 強みテンプレ
例:段取り/報連相/現場の清掃/写真報告/安全意識
これをベースに、サービスごとに
- エリア
- 稼働時間
- 得意分野
だけ調整すれば、短時間で整います。
6. 案件管理をラクにする具体テク
複数運用の成否は「管理」で決まります。難しいことは不要です。
① スプレッドシートで一元管理
列はこれだけでOKです。
- 応募日/サービス名/案件名/場所/日程/報酬/状態(応募中・調整中・確定・見送り)
② 応募文テンプレを2種類用意
- 丁寧版(初回向け)
- 短文版(スポット向け)
③ 通知は“重要だけ”
通知を全部ONにすると疲れます。
「条件に合う案件だけ通知」など絞り込みが効く設定に。
7. まとめ:仕事量ではなく「選択肢」を増やす
複数マッチングの本質は、案件を増やすこと以上に、
“選べる状態”を作ることです。
- 波を平準化して、売上を安定させる
- 条件の良い案件だけを取りやすくする
- 良い発注者との関係を積み上げる
この3つが揃うと、働き方は一段ラクになります。
まずは「タイプの違うサービスを2つ」から、無理なく始めてみてください。
